レディースBulova17石(1949年)


文字盤が燒け過ぎててリダンを勧められさうだけど、汚れた美しさがまだ、あると思ふ。ペンシルタイプの針も好きだし、このアップライトのアラビア數字が無條件に好き。
新品の頃も素敵だつたのだらうけれど。

年代は裏蓋にある内容ですんなりとわかりました。

画像では讀めないと思ふけど刻印はBulova A9 593093。裏蓋を閉ぢてから氣付いてしまつたんだけど、蓋の裏側確認しておくべきだつた。でも、機械と蓋の隙間が殆どなく、まう一度閉ぢ直す自信がないから止めた。素材の事が書いてあつたとしたら、金張りではないかと思ふ。

A8 = 1948
A9 = 1949
L1=1951
L2=1952
L3=1953
L4=1954
L5=1955
L6=1956
L7=1957
L8=1958
L9=1959
M0=1960
M1=1961
M2=1962
M3=1963
M4=1964
M5=1965
M6=1966
M7=1967
M8=1968
M9=1969
N0=1970
N1=1971
N2=1972
N3=1973
N4=1974
N5=1975
N6=1976
N7=1977
N8=1978
N9=1979
P0=1980
P1=1981
P2=1982
P3=1983
P4=1984
P5=1985
P6=1986
P7=1987
P8=1988
P9=1989
T0=1990
T1=1991
T2=1992
T3=1993
T4=1994
T5=1995
T6=1996
T7=1997
T8=1998
T9=1999

http://www.thewatchguy.com/pages/BulovaSerial.html

「A9」で1949年。この表記法は1940年代後半から採用されてゐるさうです。
ちなみにBulova Watch Movementsを見ると1924年から1948年までの時計の製造年を意味する刻印がわかる。役に立つサイトだなあ。

アルファベットのALMNPTしか使はれてゐない理由を私も知りたいところだけれど、全然わからない。2000年のものには1940年代を意味するAをまた採用してゐるみたい。BCDEFGHIJKOQRSを年号の表記に使ふ積もりは今後もないんぢやないかな。

チラネジあり。

チラネジとは、天輪の外側にネジ状の調整ウェイトを持つテンプのことで、アンティークウオッチに良く見られる特徴。
温度変化に応じて、精度の調整を可能にしたが、高精度素材が開発されるに従い、チラネジのないテンプが主流になってきた。

http://www.neel.co.jp/2008top/watchqa/watchword-ta.html

機械の左の方の輪の囘りにあるブツブツしてるのがチラネジと言はれてゐるもので、一本一本が小さな獨立したネジだ。出したり入れたりして、組立て後のバランスを調整してゐるさうだ。
リューズと機械の間に薄いアルミホイルみたいなのが挟んであるものは今囘のコレで初めて見たけど、多分リューズの隙間から中に濕氣が入るのを防ぐ爲なんだと思ふ。これを破らないやうに挾み直して組み立てるのが怖かつた。素材の缺點や時代による技術の問題を、その時代で出せるだけの知惠で補つてる工夫が凄い。

中にある情報は、「BULOVA WATCH Co」「6BK」「BXW」「17 SEVENTEEN JEWELS」「SWISS」「J?9」「UNADJUSTED」
「BULOVA WATCH Co」は會社の名前で「17 SEVENTEEN JEWELS」は17石、「BXW」については機械に付いているイニシャルでBulova社製を意味してゐるとわかりました。「6BK」はキャリバーナンバー。「UNADJUSTED」はケースを上向きや右向き、左向き、下向きにした上での調整はしてゐません、とわざわざ言つてゐるんだけど、スイスから持つて來る時、未完成部品であるとして安く持つて來る爲でもあつたとか何かで讀んだ記憶が。でも兎に角未調整と云ふことだ。
殘りの「J9」は「J9」としか讀めないんだけど、意味がわからない。違ふキャリバーを積んだ同じ年代の機械にもJ9と刻印してあつたから、何か年代と關りがあるのかなとも思ふ。593093は出荷番号か製造番号なのか、キャリバーくらゐはわかるやうになつてゐるのか、結局わからない、のだけれど。MyBulova.comには持つてゐるBulova社の時計の情報を投稿出來る。世界の愛好家から色々なモデルが投稿されて數が集まれば、色々わかる事も増える筈。Bulovaをお持ちの方は投稿してみてはいかがでせう。私も投稿してみようと思ふけど、手ブレのピンボケ寫眞でもあるし、アップロードするんぢやなくて、URLを直截入力するみたいだから、はてなで使つた画像だと小さ過ぎてあちらでお役に立てないかもしれない。