良い音楽が…ない?

この間Twitterで、Eric Dariusが、「良い音楽は死んだと言つた人がゐだけれど、僕の答えは『それは間違つてる』だ。確かに良い音楽は探しにくくなつたかもしれないけれど、確かにあるんだ。」的な事を言つてゐた。
何十年か昔より、音楽人口も増えて、日本から国外に留学までして頑張る人が沢山ゐるし、音楽を聴く手段も増えたのだから、音楽が減つた訳ではないのだらうけれど。
誰かが、「音楽が一番良かつたのはどの時代?」と言ふ議論を始めて、60年代とか80年代とか…。さう言へばジャズ・セミナーの時の話だと、「スタンダードとは1920年から1950年代までに作られた曲で後世に残つたもの」なのださうだから、スタンダードが良い音楽だとしたら、やつぱり既に死んでゐると言ふ事か。
誰かがあの頃の曲はメロディーが強いと言つてゐたけれど、それはメロディーがコードの上にあるからだから、聴いてゐて安心するのかもしれない。
良い音楽は今もあると思ふ。どれが?何が?と聞かれても困るのだけれど。その人が良いと思へば良い音楽ぢやない?
ただ、探しにくくなつた…と言ふのは、情報が機械的に多量に入つて来るからかもしれない。Twitterで良く感じる事だけれど、兎に角ジャズが好きだから今週・今月リリースされるアルバムを全部紹介したり、知り得たギグの情報を多量にTweetしたりRTする人のTweetsは好きぢやないです。私の情報処理能力が不足してゐるのだらうけれど、「これ、どうしろと言ふの?」と思ひます。Botみたいなもので、人間の放つ情報ではないです。何かの意思によつてつぶやかれたものではないので、あんまり読みたいとも思はないし、頑張つて読んでゐても、良かつた事もない。Botの方がまだ編集されてゐるんぢやないですか?
多分昔は、自分が好みも熟知した知人から、それがどうして良いか、何故聴くべきなのかを聴けたし、外れも覚悟でジャケット買ひして、それが好みではなくても何故嫌ひなのかを考へたり、ミュージシャンの名前を知つて行く手がかりを得たりしてゐたんぢやないだらうか。人のお勧めを買つてハズレでも、ああ云ふ人はかう云ふのが好みで…とか。
私もネットで音楽をきちんとお勧めはしてゐないし、出来ないと思ふ。でも何かしら心躍らされる理由があつたもののみにはしてゐる。