ありがたう、ちび

実は、23年も生きてくれてゐた愛犬ちびが4月11日に亡くなりました。「死なないで、ちび。」と言つたけれど、「ひー、23年も生きてるんだよ、あちこち痛いよ。」と聞こえてきさうな気がしました。心臓も悪くて薬を飲みながら、本当に毎日頑張つてくれました。

年齢の為に、お腹が空いた時に騒ぐ以外は座布団同然のちびだつたけれど、暗い部屋に入る時、ちびを踏んでしまはないか心配して恐る恐る歩いてゐたりする瞬間、心臓が爆発しさうになつてしまふ。丸くて陽気なちびに教はつた事を大切にしていきたいと思ひます。

人間が死ぬ時、視覚や触覚は最初に逝き、一番最後に逝くのは聴覚なのださうです。最後の日、犬用のカロリーメイトドリンクを口に流し込んでやつて、隣の部屋でピアノの練習をしてゐました。只ならぬ胸騒ぎがしてちびの様子を見てみると、冷たくなつてゐたのです。最後の時に一人にしてしまつて、後悔してゐます。最後に聴いた音が練習半ばのStella By Starlightだなんて。これはちびの最後の曲だな、と思ひ、練習してゐます。